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IFRAコンテスト

石川 勇(取締役総務)さんにお聞きしました。

-INCQCとは、どのようなコンテストですか


 International Newspaper Color Quality Club 以下INCQC(国際新聞カラー品質コンテスト)は IFRA(国際新聞技術研究会)が主催で、NAA(アメリカ新聞発行者協会)、PANPA(環太平洋地域新聞発行者協会)とのジョイントプロジェクトです。
 INCQCは1994年に設立され2年に1回開催されます。コンテストの目的は新聞のカラー品質の№1を決めるのではなく、業界全体の印刷品質レベルアップを目指すものです。
 ◆ 静岡新聞社はINCQC 2006~2008年度に応募
   同年のコンテストには世界38カ国と地域から181社が応募
 ◆コンテストの評価方法は、
    ①デジタルターゲット関係の数値評価
    ②ニュースカラー写真とカラー広告の評価
    ③通常発行している新聞印刷紙面の総合評価
 このコンテストで静岡新聞社は世界上位50社のクラブメンバー入りし、2年間の栄誉が与えられました(オランダ・アムステルダムで表彰される)。
 カラー写真などの色彩再現や印刷技術、高品質の紙面管理などが問われる同コンテストでの上位50社入りは、日本の新聞社では初めてでした。同時に、アジアの同規模の発行部数の新聞社から選ばれるアジア賞も受賞しました。

 

-取組において、苦労された点はどのようなところですか

 当時、印刷局と画像処理を担当する制作技術局を含めた“プロジェクトチーム”を結成しました。IFRAからネット送信されてきた「課題のカラー素材」をプロジェクトチーム内で検討し、数回のテスト印刷を行いコンテスト本番に備えました。INCQCは欧州の色彩表現や印刷が基準になっているため、課題のカラー素材のうち最も苦心した点は、デジタル広告の色再現でした。
 欧州の藍インキは日本の藍インキに比べて、微妙に赤みを帯びています。課題の「デジタル広告」原稿はCMYKの4色に分解されて各応募社に送られ、その色彩通りに日本で印刷しても、併せて送られてくる色見本とは異なる色合いに仕上がってしまいます。「デジタルカラー広告課題」の印刷は通常の本紙紙面に盛り込む形で行うため、IFRAから送付されてきた色見本通りの色になるようインキ量を調整すると、今度は同じ面のほかのカラー素材の色が狂ってしまいます。プロジェクトチームは課題のデジタルデータのプロファイルのみ変換が認められたことを利用し、課題の印刷データを逆算して、デジタル写真段階のデータに一度戻しました。その後、あらためて静岡新聞社のCMYKの印刷データに変換し直すことで、欧州標準の印刷データに適合させました。
 同コンテストのデジタルターゲット関係の評価は、主催者側が分光光度計で測色した数値結果が評価されるという厳しいものでした。日本の新聞用ジャパンカラー(JCN)と測色条件が違う点はブラックバックです。これらに関しては静岡新聞社独自の色彩管理用フォーマット(汎用表計算ソフトExcelで作成)を活用しました。テスト印刷時にドットゲインやグレーバランス、1次色ベタ濃度とドライダウン後の色彩値ほかの数値データの確認を行いました。IFRAでの色差の求め方は「CIE DE 2000」を基本にしています。そのためCIE DE 76やCIE DE 94と比較した場合、CyanとYellowの領域で数値的な差が現れます。CIE DE 2000は色度によってa*座標を補正したものですが、この微妙な違いが、欧米人と日本人の色を見る官能評価に現れるのではないでしょうか。
 

 

-受賞後の国内での反響は、どうでしたか

 新聞各社からの問い合わせも多くあり、印刷専門誌でも取り上げていただき「INCQCに国内初の入賞」したことが「スゴイ!」の驚き・・・でした。
 

-授賞式でのエピソードなどをお聞かせ下さい

 アムステルダムでの受賞式典で司会者が「静岡新聞」と名前を読み上げるのに、英語でサシスセソの「シ」発音が上手く出来ず、受賞者がマイクを取り自己紹介を行いました。このタイミングでレセプション会場の2階席から「万歳・・」の歓声で式典が多いに盛り上がりました。

 

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